令和5年度 教採2次選考個別面接の対策!

教員採用試験 個別面接の受け方
目次

はじめに

【教師に求められる資質】

教育は,子どもたち一人一人の夢や希望の実現に向け導く営みです。従って、教員として自らも大きな夢や希望を語れる人であることが最も必要な資質です。

面接選考においては、面接官には、指導主事と管理主事の現職およびその職の経験があり、現職の校長職・教頭職にある者などが当たります。

教育は教師次第」といわれます。従って、面接官を担当する者の責任は、極めて責任は重大であります。

そのため、面接官自身も緊張し、構えて面接選考に臨んでいます。

また一方、志願者も一生の仕事に就けるかどうかの真剣勝負ですので、自ずと緊張した雰囲気の中で進められます。

面接官は、

・志願者がどのような覚悟を持って教員を目指しているのか
・志願の本気度、志願者の教職への意欲を評価したい
・教員に採用したら、どんな教育活動を展開したいと考えているのか

などを率直に知りたいのです。

そこで、2次選考の個別面接で、教員としての適性を高く評価されるためには、基本的な教育の理論が身についていることを伝えるだけでなくだけではなく、様々な学校での教育活動(教育実習など)での場面について、感動的な体験などを語り、体験に基づく教育へ情熱や教師としての信条を訴えることだと思います。

その面接官の質問に適切に答えるためにも、今まで学んできたことを整理するとともに、教育実習や講師経験での教育実践や教育ボランティア活動等で、意欲的に経験を積んでおくことが必要になります。

※自分用の想定問答集を作成すること

個別面接選考では、何を評価するのか。

面接の形態について

○個別面接……面接官2~3名に対して受験者1名で面接します

(※面接官は、管理主事経験者と指導主事経験者及び場合によっては、民間有識者(企業の人事担当者等)登用することがあります。

※千葉県は、2次選考では、個別面接のみ

○集団面接……数名の受験者に対して同一の質問事項を順次答えさせます。

○集団討議……討議題を示し、発言を求めます。

司会者を選出する場合と司会者なしで行う場合とがあります。

また、面接官が進行するケースもあります。

面接の評価の観点

○豊かな人間性(人柄・性格)

○教員としての専門性(指導力・教職の基礎知識)

○社会人としての常識(社会性・法的理解力)

○組織人としての協調性(コミュニケーション能力・説明力)

<千葉県・千葉市の求める教師像> (面接の際の評価の観点か?)

・人間性豊かで、教育愛と使命感に満ちた教員

・高い倫理観をもち、心身ともに健康で、明朗、快活な教員

・幅広い教養と学習指導の専門性を身に付けた教員

・幼児児童生徒の成長と発達を理解し、悩みや思いを受け止め、支援できる教員

・組織の一員としての責任感と協調性をもち、互いに高め合う教員

個別面接では何を聞くのか <質問の視点>

教師を志望する理由について

・志望するに至った経緯について、具体的にエピソードを交えて述べる。(やや長めでも可)

・教師という職業をどのように理解しているのか。また、らどのような教師を目指したいのかを述べる。 

学校教育の現状に関する理解について

・教育実習や学校ボランティアでの経験から率直に述べる。  

国の教育改革や学校教育全般の課題について

・働き方改革が求められる中、長時間勤務に関する考え方

・新学習指導要領の実施について

「主体的で対話的で深い学び」をどのように推進するのか。

・少子化に対応する校内指導体制について

・小学校高学年の教科担任制の導入について

・個別最適の学びと協働的な学びについて

・GIGAスクール構想の推進について

・デジタル教科書の導入と活用について 

児童生徒の安全安心の確保について

・防災体制の整備や防災教育の在り方について  

・登下校の安全指導や校内安全対策(川崎市の児童殺傷事件を踏まえ)

保護者や地域との対応に関する課題について

・保護者からの声をどのように受け止め対応するのか。

・保護者との信頼関係を確立するには、どうすればいいのか。

教育理念と教育ビジョン

・教育信条は何か。

・日本の学校教育が抱える課題は何か。また、その改善策は?

・あなたが指導を受けた中で、心に残っている教師とは…?

面接選考で注意すべき事項

元気よく溌剌とした印象を与える

・あいさつ

・テキパキとした立ち振る舞い

・大きな声で返事をする

・感謝の言葉(ありがとうございました)

志望動機を明確に言う

・教師を目指す情熱が伝わるように語る

・子どもが好きである旨を伝える

・自分の言葉で語る

・教師という職業が社会的使命を負っていることの理解があることを伝える。

自己ピーアールを忘れずにする

・特技、趣味が学校教育で有効であることを印象づける。

・プラス思考でマイナス思考の発言はしない。

・長所・短所の質問には、長所の側面から答える。短所は、その裏返し。

指導場面を想定した質問への対応

・率直な自分の意見を忌憚なく述べる。(子どもを大切にする立場に立って)

・経験がなく分からないことは、分からないと答え、勉強しますと付け加える。

・独断的な意見ではなく、主体的な判断をするとともに、管理職や同僚との報告連絡相談をしながら指導を進めることを付け加えることが大切である。

今日的な教育課題についての質問への対応

・自分の認識・教育観を率直かつ謙虚に答える。(断定せずにこう考えます)

面接の際の心得……どのような態度で臨めばよいか

誠実さを持って臨み、信念を持って答える

・はっきりとした言葉で、元気よく。

教師への意欲を明確に示すことが大切

体験に基づくとともに、具体的な論理性のある答えを述べる

・教育実践に基づく具体的な事例を示しながら、自らの考えを述べる。

清潔感のある服装に留意する

・原則は、スーツ姿が良い、ブレザースなどラフな服装は避ける。

(時計等は、超高級な物は避ける。)

面接への準備

※想定できる教育課題に対する回答を考えておく。想定される質問の回答をまとめておくこと

【新型コロナ対策関連】

  • 未だ新型コロナ感染症の感染拡大が収束せず、コロナとの共存が求められています。Withコロナの学校の教育活動で、児童へどのような配慮をする必要がありますか。
  • この感染症のために、亡くなられた方々も多くいますが、このような社会状況の中で命の大切さについて、どのように指導されますか。
  • 再度、感染が拡大し、休校措置がとられた場合、保護者にどのように説明し、今後、どのような協力を仰ぐのか。
  • 再度、学校の休校措置が長期化する中で、各学校では、情報機器を活用した遠隔授業の導入を検討しています。どのような配慮・対応が必要となると考えますか。
  • コロナ感染者の家族に対する差別が報道されていますが、故ない差別や「いじめ」があってはいけません。どのように指導しますか。
  • 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い休校措置が執られ、教育課程の実施が憂慮されていいます。今次の改訂の趣旨を踏まえてどのような対応が求められるか。

千葉県教育振興基本計画関連】

  • 第3期千葉県教育振興基本計画が公表されていますが、どのような教育課題を改善しようと考えているのか具体的な施策について、取り上げその施策について、あなたの考えを述べなさい。
  • 第3期千葉県教育振興基本計画の中で、あなたが関心を抱いた施策はどのようなものがありますか。
  • 第3期千葉県教育振興基本計画の中の、学校に関する目標では、どのようなことを掲げていますか。

【最近の我が国の教育改革の動向】

 <最近の中央教育審議会の諮問文や答申の把握>

ア 「令和の日本型学校教育」の構築を目指して ~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと, 協働的な学びの実現~(答申) 令和3年1月26日

○小学校高学年の教科担任制の導入等 ○小中一貫教育の推進(利点と課題)

イ 働き方改革(答申)

「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校に

おける働き方 改革に関する総合的な方策について」(答申)

○第3期教育振興基本計画  計画期間:2018~2022年度

<※次の用語について調べよう>

「超スマート社会(Society5.0)」、人生100年時代、「人づくり革命」、「生産性革命」

【各都道府県の教育課題の把握】

 ・各都道府県の教育振興基本計画の第3期計画の概要把握

  ※第3期計画作成上の都道府県については、第2期計画について把握しておく。

 ・受験する各都道府県教育委員会作成の「学校教育指導の指針」の把握

  ※今年度の重点を徹底的に覚える。

 ・各都道府県の最近の学校教育に関する事件・事故に関する事項の把握

  ※「川崎市の登校中の児童等殺傷事件」を踏まえ、安全対策について

  ※野田市の児童虐待事件を踏まえ、虐待防止対策について

  ※頻発する登下校中の交通事故の発生を踏まえ、交通安全指導について

予想される個別面接での質問への対応

<1> 人物確認及び志願理由等に関する質問について自分の考えを書こう

※人物を確認するためなので、緊張を解し、大きな声で、元気のよい溌剌とした態度で、面接に臨むことが大切です。

1 自己紹介と自己アピールを1分間でお願いします。

 志願書に記載した事項の確認及び志望理由についての尋ねであるので、志望理由について、自分がなぜ教員になりたいと思ったのか、簡潔に、かつ共感できるように語る。

また、自己アピールについては、自己の特技や趣味などが学校教育に如何に有効に特技が生かされるかを簡潔にアピールすること。

 なぜ、小学校(中学校、高等学校)の教員になりたいと考えたのですか。

※ 志望理由に記述してあることをでも、重ねて、小学校の教員を志望する理由について述べる。

例:「小学校段階は、学校教育の基礎を形成するので、教師の役割が極めて重要であると考えたこと。また、小さい子どもが特に好きであるので志望しました。」等 

3 特別支援学級を希望してないようですが、特別支援学校や学級の指導は出来ないか。

例:「特別支援教育につきましては、大学で専門的に学んで来ませんでしたので、希望しませんでしたが、特別支援教育にも興味がありますので、配置いただけるのであれば、今後、特別支援教育つきまして、一生懸命に勉強して参ります。」等

4 勤務地の希望について、希望に沿えない場合は、どうしますか。

例:「希望につきましては、お尋ねがありましたので、書かせていただきましたが、千葉県かどちらの学校でも赴任できますので、よろしくお願い致します。」などと答え。

(但し、介護等、家庭状況で、自宅からの通勤しか出来ないなどの特殊な状況がある人は、正直に答えて大丈夫です。配慮した勤務先を検討していただけると思います。)

<その他、志望理由等に関連して>

5 本県の教員採用選考を志願された理由を述べて下さい。

 ※志願書に書いた「志願理由」を簡潔にまとめて話す。

6 教員を志望された理由について、少し詳しくお話し下さい。

 ※志願理由や自己アピールの中で書いた教員志望の理由を分かりやすく説明する。

7 千葉県の教員を志望した理由について、もう少し詳しくお話し下さい。(他県出身者)

 ※千葉県出身の人には聞かないと思いますが、他県出身の方や、他県も併願されている方には、質問すると思います。自らを育てていただいた郷土千葉県のために貢献したい旨を話す。

8 併願されている他県と本県の両方とも合格された場合は、どうされますか。

 ※「念のため併願申請していますが、千葉県が合格した場合には、千葉県に就職したいと思います。」 なお、婚約者がいるなどの、具体的な事情がある方は、その事情を正直に話して、理解が得られると思います。

9 教員以外の就職を検討されていますか。不採用となった場合、どうされますか。

 ※迷わず千葉県の学校で講師として勤務したいので、講師登録をする考えであることを話す。

<2> 自己に関する質問

1 あなたが行ってきた部活動を通じて、何を学びましたか。

※「部活動で学んだことを、教員生活で生かすのかという質問でありますので、忍耐力や諦めない心、チームワークなど様々なことが体験できたので、それらを児童生徒たちの成長に繋げていきたいと考えます。」など、具体的な事例が思いつくようであれば、更によいと思います。

2 友人からあなたはどのような人だと思われていますか。

※自分についての他者評価を尋ねていますが、自分の性格についての自己認識を聞かれているものと考えて、謙虚に自己の特性をアピールされたらと思います。

3 あなたご自身は、どのような性格だと思っていますか。(長所・短所は?)

※前の質問を直接的に問われたものですが、教員適性の側面から、謙虚に長所についてのみ答えてはどうでしょうか。

4 あなたの今までの中で覚えている失敗には、どのようなものがありますか。また、そのことから何を学びましたか。

5 大学生活で、教師になるためにどのような努力をされましたか。

※教育ボランティアやたまごプロジェクトなどへの積極的な参加や教育学の授業へ真摯な取り組みなど自らが取り組んできたことを率直に語る。

6 教員の仕事は大変だと思いませんか。

※働き方改革が進められる中で、教員の仕事が多忙であり、採用されても早期に退職するものもいるので、確認のためにする質問であるが、教職への意欲・情熱を語る良い機会です。

7 学生時代の思い出で、最も心に残っていることはどのようなことですか。

※原則的には、教育ボランティアなど教育活動に関連する思い出を語れると良い。

8 感動体験や挫折体験はありますか。それからどのようなことを学びましたか。

失敗から学んだことについて、現在、自分の信条になっている体験などを語る。

9 ボランティア活動をされましたか。その活動を通じて、何を学びましたか

※ボランティア体験で得た、学校教育で活かされることを話す。

10 卒業論文は、どのようなテーマですか。

<3> 教師観・教育観に関する質問

1 今、教師に求められている資質・能力とはどんなことだと思いますか。

※新学習指導要領の改訂の趣旨や中央教育審議会等で指摘されている教育改革を踏まえて答えるようにする。また、協働、チーム学校、学び続ける教師、などのキーワードも含めて、今、求められる教師の資質・能力について話す。

2 どのような教師を目指そうと考えていますか。

 ※理想とする教師像について、志願理由に書いたこととの整合性を図りながら語る。

3 よい教師とは、どのような教師ですか。

4 教育公務員として、最も大切なことは、どのようなことですか。

5 教師の不祥事について、どのようにお考えですか。

6 教師が子どもに言ってはいけない言葉とは、どのようなものですか。

7 教員研修について、どのようにお考えですか。

8 得意でない部活動の顧問を命じられたらどうしますか。

9 あなたの尊敬する教師とは、どのような先生ですか。 

10 教育実習で一番うれしかったことはなんですか。

11 教育実習(講師経験)での失敗は何ですか。

12 たまごプロジェクト(講師経験)で学んだことは何ですか。(千葉県)

13 学級担任をした際、「これだけは守ってほしい。」というルールを1つ作るとしたら。

14 最近の子供をどう思いますか。

15 教育の目的とは、何ですか。

・教育基本法の趣旨を踏まえて答える。

16 学校教育の目的とは、何ですか。

・学校教育法第21条の目的を踏まえて答える。

17 あなたの考える現在の学校教育の最大の課題は、何ですか。

18 現代の子どもの教育課題は、何ですか。

19 子どもが好きですか。また、教師として児童生徒を愛するとは、どのようなことですか。

20 子どもの求めている教師は、どんな教師だと思いますか。

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